非常時の対策や備えとサバイバル

あなたは水がもらえるまで何時間も待てますか?

 

2022年静岡市は台風15号により大きな被害を受けました。
大規模停電、浸水被害、断水と被害を受けました。主要な水道管が河川洪水で流されてしまい長期の断水となりました。
浸水被害は昭和の七夕豪雨に匹敵するものでした。

 

写真は弊社の近所のスーパーの給水所で水を待つ人々。時刻は夜の9時から10時くらいです。お年寄りや小学生くらいの子供も並んでいました。

水道工事業者に勤める私も列に並びました。

町内には、小中学校や公民館、スーパーなどに給水所が何か所か設けられましたが、どこも長蛇の列でした。

  

水道局の給水タンクは空になると、次の補給まで1時間半以上かかりました。その間いつ来るかも分からない給水車を、皆ただひたすら並んで待っていました。

給水タンクは1000リットルくらいなので、ひとりがポリタンク20リットルずつ汲んでいくと50人で終了です。

 

でも実際は、一人でたくさんの容器に100リットル近く汲む人もいて、

それを見ている後続の列はかなり険悪な雰囲気になっていました。

何かトラブルが起きないか、少し恐怖を感じました。

 

想像してください。小さなお子さんがいる方で、1時間以上お子さんと一緒にこの列に並べるでしょうか。

お年寄りも必要なだけ運べるでしょうか。誰かの助けが必要です。

 

汲んだ水を自転車に載せようとして、重くてこぼしてしまっている方がいました。

重たいからという理由で、持てるだけの水にしている方もいました。必要なだけではなく自分が運べるだけしか水をもらえないんです。

私も母と一緒に、ポリタンクを複数個持って来ていたのですが、他に並んでいる方も多くいたので、一つだけにしました。
待っている間、車や自転車に積み込むのが大変そうな方のお手伝いもしました。

 

実際に体験してからじゃないと分からないことがあります。

 

その時になってからでは遅いので、平常時から自宅に非常用飲料水のストックをしておく必要があると感じました。

 

蛇口から水が出る当たり前が、実はとてもありがたいことだと実感した日々でした。

 


私たち設備工事業者(水道屋)は、原始人と何ら変わらない、何もない状態から、快適に暮らせる設備を作り出し、現代まで時代を進めます。

電源がない環境で、発電機で工具を動かし、重機で地面を掘削し、パイプを加工して給水し、自然流下するように勾配をつけて排水管を配管します。

 

そんな「ゼロの状態」をよく知る私たちが、過酷な環境下におかれた際に役に立つ、便利な防災アイテム等をオススメすべきだと思いました。

どんなものが必要なのか、どの位の性能のものを準備するといいのかは普段からそういった機械工具を使用している人間でないとわからいことがあります。
機械工具について良く知らない人が準備すると、性能不足で思ったような使い方ができない、大きすぎて動かすのが大変、使い方が難しい、音がうるさい、様々なミスマッチが起こります。

非常時に折角用意してあったものが使えないことが分かったら相当ショックですよね。

是非、我々にご相談いただけたらと思います。

 

飲み水は、上にも書きましたが、普段からローリングストックをしながら、蓄えておくことを強くお勧めします。すぐにでもできる、簡単な対策なのですぐ実行に移しましょう。

携帯のアプリで、ローリングストックを支援するものがあり、期限内に無駄なく消費したり、消費したものを補充する様に促してくれるようなものがあります。

 

非常用食料も美味しくて長期保存ができるものを普段から探して、実際に食べてみて、お気に入りを保存しておくことが大事です。そして日頃の食生活に非常用ストックを少し取り込んでいくことがおすすめです。

 

非常時の初期は、暖かい食べ物、スープ、野菜類、肉や魚が食べられなくなります。

そこを対策しておくのがおすすめです。

停電でも湯を沸かせるようにしておく、缶詰を多くストックする、レトルトのスープ(真空パックや缶詰)やカレーなど、カップ麺等を用意しておきましょう。自分の口に合わない食べたくないものをストックしないことも大事です。
古くなって賞味期限を迎える前に消費して新しいものを追加するローリングストックを実生活に落とし込んで、実践することが大事です。

 

私は、2月下旬と4月に能登半島地震災害による水道管の応急復旧に、石川県珠洲市へと静岡市上下水道局さんの下、水道組合員の一員として参加させて頂きました。

地元の方々の詳しいお話は伺いできませんでしたが、小学校などの避難所での生活が続いているようでした。

断水が続いており、全国各地の水道局の方々、自衛隊の方々が給水車で、浄水場から各避難所、給水所に水を運搬してくれていていました。

小学校の給水所に水を汲みに来ている地元のお年寄りのご夫婦と、汲んだお水を車に乗せるお手伝いをさせて頂きながら言葉を交わす機会がありました。

複数のポリタンクにお水を入れて車でご自宅に運ばれているようでした。

20kg近くあるタンクを何本も積み込んでいました。大変な作業です。

 

仮設住宅は建設中で、私たちの復旧班はそこへ給水する水道管の復旧を取り急ぎ行うお手伝いをさせて頂きました。

 

地震や土砂災害などでは、電気は比較的早期に復旧されます。

しかし、水道や下水道は数週間から数か月復旧されない場合が多いです。

ご自宅で調理するのも困難、使用した食器類を洗うことも出来なくなり、水洗トイレは使えず、仮設トイレを使用するしかなくなり、お風呂にも入れず衛生面でかなり厳しい環境を余儀なくされます。

 

避難所生活では、プライバシーなどの個人空間や、安心安全な空間が確保できず、精神的なストレスもあると聞きます。

国などで設置してくれる仮設住宅などは、発災時から2~3月待たなくてはなりません。

それまでは、車中泊や避難所生活、被害を受けた住宅での暮らしをしなくてはなりません。

 

仮設トイレも災害が起きてから1~2週間ほどはありません。

使えるトイレが少なく、順番待ちが発生したりするそうです。

それまでの間は、簡易トイレなどの準備があるといいと思います。

簡易の椅子形状のトイレを組んで、使用後に凝固剤でし尿を固めてゴミ袋に閉じ込めてゴミ処分するものです。

使えななくなったご自宅の水洗トイレに、袋をセットして使うこともできます。

 

日頃から、どんな非常用の準備をしておくかで、大きな差が生まれる事は容易に想像できます。

 

水、食料、そして非常時の生活の質を上げる準備をしておくことが大事です。 

おすすめはエアーベット、不衛生な床に直接寝るのは床のほこりを吸い込んで健康に悪いです。硬い冷たい床では眠りにくいでしょう。

普段はコンパクトに保管できて、緊急時に避難所で使ったり、車中泊の快適性を向上させることができます。

急な来客用の簡易ベットとして、遠出先の車中泊でも使用可能なので普段使いも可能です。キャンプなどのアウトドアにも使えます。

 

写真で紹介しているものはサイズが70センチ幅なので少し狭いです。幅の広いダブルベッドのご用意もあります。栓がとても大きいので空気抜きも素早くできる設計になっています。

手動ポンプも付属しています。昔のものより優れているのは、引いても押しても両方とも空気の補給をすることができる点です。ただ、必要な空気の量が多いので、電動のものがあると便利です。

 

電動であれば1分もしないうちに膨らませた空気を抜くこともできます。マキタ製の充電式エアダスターの写真を載せました。小型で軽量で取り扱いが楽、電源不要で場所を選ばず可搬式で大風量。

これは普段からお掃除などいろいろに使えて便利です。

お子様の大型浮き輪などの空気入れ、空気抜きにも活用できます。

様々な形状のアタッチメントが付属していて、清掃、ほこり飛ばし、洗車後の水滴の吹き飛ばしなどに使えます。